2010年04月24日

ケーブルもフィルタ

Monster Cable, Analysis Plus, Evidence Audio, Belden, George L'sなど、様々なケーブルメーカが楽器用ケーブルを販売しています。たてべは、音響信号が通るケーブルにはEvidence Audioを愛用しています。よく、立ち上がりがよいとか言われていますが、たてべもそう思います。

各ケーブルの特徴は置いておいて、ケーブルをフィルタとみなして話をします。フィルタの特徴を大ざっぱに抽出すると、以下のものが挙げられます。

1. 通過帯域と阻止周波数
2. 各周波数帯域でのゲイン

これらをまとめて周波数特性と呼びますが、専門的になり過ぎると言いたいことが伝わらないので省略します。ここでは話をケーブルに限定します。

2の各周波数帯域でのゲインは、必ず0 dB未満(真数でいうと1.0未満)です。つまり、ある周波数帯域で1のパワーを持つ信号がケーブルを通過すると、出力信号は必ず1未満になります。

1の通過帯域と阻止周波数は、まとめて通過帯域と帯域幅にしてしまいます。例えば、20〜20 kHzまでの信号を減衰量3 dB未満で通過させるとすると、通過帯域は20〜20 kHzとなります。ゲインを3 dB減衰させるというのは、信号振幅が1/2になるということです。


こんな話はどうでもいい。

たてべが常日ごろ考えている(というか結論が出ていますが)ことで、ギターからペダルを経由してアンプに繋がるまでの信号劣化の問題があります。ギターとアンプをケーブルで繋いでも、信号劣化は生じます。間にペダルを挟んでも信号劣化は生じます。True Bypassだろうが、信号劣化は生じます。その信号劣化が、聴感上で支配的か否かの議論はしません。あくまで、数値的なお話です。ちなみに、以下の話にはインピーダンスなどの、具体的な電気のお話は無視しています。あくまで、フィルタとしてのお話です。


あるケーブルの通過帯域幅をbw1とします。また、その帯域でのゲインを一定と仮定して、ゲインをg1とします。次に、接続するペダルのペダル全体での通過帯域幅をbw2とします。同様に、ゲインをg2とします。また、ケーブルとペダルが通過させる帯域は、どちらもほぼ同様の周波数帯域に存在すると仮定します。大抵はそうだと思いますが。

そりゃあもう口から直腸が飛び出るほど、超絶高価でエクセレントなケーブルであろうとも、bw1>bw2であるならば、出力信号はbw2の帯域幅になります。ペダルの後ろに超(中略)なケーブルを繋ごうとも、bw2はbw1になってくれません。ペダルの通過帯域幅の外のゲインに頼るしかありませんが、3 dB下がっていることから、期待出来ません。

ギターからアンプの間に、とんでもなく劣悪なフィルタ(例えばヴィンテージペダル)があると、その前段でいかにいいケーブルを使っていたとしても、音質劣化は免れず、かつ、それ以降のケーブルやペダルで、失ったゲインは元通りには取り戻せません(数値上はイコライザなどで取り戻せますが…)。つまり、その劣悪なフィルタがボトルネックになってしまいます。

何が言いたいかというと、bw1>bw2ならば、以降の帯域幅は、bw2を包含してさえすれば、bw1ほどの特性は必要ないと言えるのではないかと考えています。もちろん、あるに越したことはありませんが、必要十分はbw2であり、bw1はある意味では無用の長物なのではないかということです。


要するに、たてべがケーブルをEvidence Audioで統一していることには、フィルタ的には無意味かつ無駄であり、わかっていても同じケーブルでないと気が済まないという、所謂、非効率的な几帳面さがあるのだと自分自身で理解しているところです。

今更、後には退けないのですよ!
posted by たてべ at 14:51| Comment(2) | TrackBack(0) | Miscellaneous | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに失われたゲインを取り戻すのは、なかなか厳しい訳で、
そういう意味では、せめて残った分はちゃんとアンプまで伝送したいと思い、
色々試行錯誤するのですが、ここで、はたと、
”そういえば一番のボトルネックは、この老化した耳なのだった”
と気付くのでした。意味無ェじゃんと。

そういえば、御高齢のオーディオ評論家の方は
この問題にどう折り合いをつけているのでしょうか?
それこそ、記憶と学習による脳内補完なのですかね。
Posted by Bakarasche at 2010年04月27日 20:31
一番の解決策は、ゲインを失わない。いらなければ後で削る。これに尽きると思います。

ボトルネックは老化した耳と仰いますが、Pat MethenyやJohn Scofieldをはじめとした、Jazzなおっさん共の音が悪いかというと、そんなことはありません。Eric Johnsonは昔に比べて、いささか音の趣味というか何というか、変わってきているようですが。

耳は消耗品で、歳を取るにつれ基底膜の外有毛細胞がすり減って、高音域が聞こえづらくなります。老化による聴力の衰退は免れませんが、先の例のようにじじい、もといご高齢の方でもよい音は出せますので、試行錯誤して下さい。
Posted by たてべ at 2010年04月28日 22:37
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